老人と海

老人と海 (新潮文庫)

老人と海 (新潮文庫)

久しぶりに,すらすらと世界に引き込まれてすらすらと読めてしまった本です.老漁師サンチャゴの大きな魚との格闘(?).捕らえた後も,サメに狙われ・・・
訳者の解説にもあるのですが,感情を排除して,肉体的な事実表現をしています.地に足のついた感じでしょうか.肉体の老いがあったり貧しかったりするのですが,サンチャゴがたくましく魚を捕らえたり,わずかな武器でサメと格闘したりと,「生命の謳歌」が作者の作品の根底にあるようです.結局はサメに魚を食べられてしまい,読んでいて悲しくなるのですが,それでも大きな魚を捕ったことは村の漁師の知るところとなり(多分サンチャゴにすればどうでもいいことだろうけど,読んでる私は気になるところ),サンチャゴを慕う漁師仲間の子供がいろいろサンチャゴの世話をしてくれており,ほっとした気持ちで読み終えることができました・・・