カンガルー・ノート

カンガルー・ノート (新潮文庫)

カンガルー・ノート (新潮文庫)

ある朝突然、〈かいわれ大根〉が脛に自生していた男。訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに括り付けられていた。硫黄温泉行きを医者から宣告された彼を載せ、生命維持装置付きのベッドは、滑らかに動き出した…。坑道から運河へ、賽の河原から共同病室へ―果てなき冥府巡りの末に彼が辿り着いた先とは。急逝が惜しまれる国際的作家の最後の長編。「BOOK」データベースより

・・・かいわれ大根!?主人公食べてるし・・・
非現実な不思議な話です.全て,主人公が見ている夢なのかな?
あとがきで,阿部公房が病院のベッドで書いていた作品だということを知り,阿部氏自身が見た夢や実体験を基にし「死」がテーマになっていたのだな,ということを認識.
「死」をテーマにしているにも関わらず,暗くない.安部氏らしい,不思議なユーモアが随所にある.
もしかしたら自伝的な本なのかも.