麦ふみクーツェ

麦ふみクーツェ (新潮文庫)

麦ふみクーツェ (新潮文庫)

いしいしんじ
kakikoのブログのレビューから読もうと思い,ぶらんこ乗り⇒トリツカレ男⇒麦ふむクーツェと一気に読みました.どれも良かったー!
村上春樹と似てるなかなと.
登場人物たちの,(理不尽な)生きることに対する,まじめな誠実な姿勢.そういうとこ.
胸がしんとなる.

ややこしさを生きることが生きることそのものなのだ,と気づかされる


彼らもまた,おのれの運命を生ききった人たちだった.生きることに意味があるのかどうかよくわからないけど,生きていないことには,素晴らしい出来事にも巡りあえないんだなと,
<解説より>



違うのは,10代の小さな子も読めるような「おはなし(童謡)」であるところ.(もちろん,全然大人向けでもある.)
かわいらしくてやさしい感じ.
音の表現が,特にかわいい.
「とん,たたん,とん」
「にゃあ!」
「きゅるきゅる」


解説のステキな部分を引用.

しかたがないので,私はいしいさんの物語を読む.物語をとおして,みんなでひとつの喜びを分かち合う幸福を堪能し,ひとりぼっちでいることのさびしさを忘れる.読書とは,文字による合奏に参加することだ.