春について

そうだ,春について書こう,と未だにホットカーペットに寝転がりながら思ったのは,
春を予感させる大好きな沈丁花の匂いも盛りを過ぎてしまったからだ.


大学3年になった春,とにかく泣いていたことを思い出す.
何がそんなに不安で怖くて寂しかったのだろう.
そうだ,怪我をきっかけに部活をやめるかどうかで迷っていたのもあった.
当時は部活以外の友人も少なかった.
春は,ちょうど授業がないから,人と会わなくて不安定になったんだ.
自分から人に会うっていう普通の遊び方も,寂しさの紛らわせ方も知らなかった.
昔から,遊ぶのが苦手なんだ.


何かのグループに所属していれば,自然に人に会える.
だから,グループに所属しているのが好きなのだ.
ここが私の居場所なのだ,ここに私は居て良いのだ.
そう思える居場所をずっと欲しがっていた.
今は,そう思える友人が,家族が増えた.
だから,一人でも居られる.


春について.
春の陽気の良い日に,むっとする熱気を感じるときがある.
太陽の陽が,とにかく眩しい日.
何だか頭がもわーっとする,あの感じが少し苦手だなと思う.


春は環境が変わる時.
だから不安なんだ.
就職してから,この時期に大きく環境が変わるってことがなくても
今まで春に感じてた不安を,反射的に感じてしまうのかもね.


春が来てしまう.
また一つ,思い出を過去に置いていく時期だ.